ICTの力で新型コロナウイルス危機に対抗を

2020年4月1日現在,全世界で新型コロナウイルスが猛威を振るっており,様々な大学でICTによる授業の模索が行われています。(4月1日現在)本学では「遠隔講義」に関しては未定ですが,東京大学が原則リモート授業化を発表した時点で,情報基盤センターでは直ちに検討を開始しました。

本学では従来からMicrosoft Skype for BusinessならびにMicrosoft Teamsによるビデオ会議の環境やLMSであるMoodleなど,遠隔講義の実現を支える様々なサービスを提供しておりますが,残念ながら利用率は大々的な遠隔講義を行う基盤となるまでには達していません。加えて情報基盤システムに関しては,7,000人規模の本学構成員がほぼ同時にアクセスする想定での性能設計は行っていません。

しかし,もし本学で遠隔講義が行われることとなった場合,本学構成員には以下のことを強くお願いしたいと思います。

  1. 当センターが提供する掲示や,マニュアル類を熟読して頂くようお願いします。特に新入学生諸君は,聞きなれない言葉が沢山使われているかもしれません。しかし,何度も読み返して理解して頂ければと思います(読解力も鍛えられます)。当センターには,大人数の学生を対面でサポートできる数のスタッフがおりません。
    また,当センターが提供する一次情報”以外”を,むやみに信じることも止めてください。詐欺やフェイクニュースなどの危険もあります。
    なお,この機会にウェブ版情報基盤システム・キャンパス情報ネットワークユーザーズガイド2019(教職員の方は教職員ポータルリンク集>情報基盤ガイド)もご熟読いただければ幸いです。

  2. システム負荷の平準化にご協力ください。Moodleは学期初めの初回ログイン時にシステムに負荷がかかります。また,認証系もログインのたびに負荷がかかります。従って,Moodleへの学期初めの初回ログインを授業開始日(現時点では4月20日)ではなく,その数日前に各自で済ませておいてください。また,各授業の開始時直前ではなく,約10分前にはMoodleなど(現時点ではどのようなシステムを使うのかも未定です)へのログインを済ませて頂ければ認証システムの負荷も軽減できます。

  3. Office 365やVPNを含むスマホ・電話認証の設定を可能な限り行ってください。設定方法はこちらにあります。スマホ・電話認証は本学のセキュリティを守る要です。このような状況下でも,本学ネットワークは学外から大量の攻撃を受けており,セキュリティと利便性を両立するためにも,必須の設定となります。同時に,今後多用するであろうMicrosoft Teamsへのログインも是非お試しください。

以下に,2019年度における情報基盤センターの活動の一部を報告させて頂きます。

認証基盤システム関連

  • 大学院新専攻の発足,入学・卒業時期などの変更に伴い,統一データベース(DB)を中心としたさまざまなシステム改変を行いました。
  • 指導教員を任意時点で入力可能にすることや教職員の旧姓使用に対する対応など,様々な統一DBのインターフェイスの拡張を行いました。
  • Microsoft EdgeならびにGoogle Chrome用のICカード認証用ドライバーの提供を開始しました。それに伴い,Internet Explorer 11のサポートを停止しました。

事務システム関連

  • 入学式の日付を柔軟に設定できるように改良しました。
  • 大学院受講登録抽選システムを開発するとともに,公開講座受付システムの改良を行いました。
  • 電子WFについて,特に送信ログの表示速度を従来と比較して10倍程度高速化しました。また,和暦から西暦への表記変更や出国届に関する対応など,様々な改良を行いました。
  • 学生の間で混乱していた夜間残留届を入退館システムとNitechピロリンによる提出のみに整理し,必要なシステム開発も行いました。

教育システム関連

  • Moodleのバージョンアップを行うとともに,スマホアプリにも対応させました。
  • iOS版のNitechピロリンをApp Storeで公開開始しました。これによりiOS版・Android版ともに公式アプリストアでの提供となり,利用者の利便性を向上させました。
  • シラバス充実プロジェクトに参加し,必要なシステム開発を行いました。
  • 授業評価システムの大学院改組対応ならびに教員の回答を履修学生が閲覧できるシステム改良を行いました。

キャンパス情報ネットワーク(MAINS)関連

  • UTM(ファイア・ウォール)を更新しました。処理能力の大幅な向上は,今後5年間の利用を見越したものです。

ユーザーサポート関連

サイバーセキュリティ関連

サイバーセキュリティセンターから追って報告があるため詳述しませんが,両センターのスタッフはほぼ共通です。しかし,近年はサイバーセキュリティセンターの業務が激増し,情報基盤センターの業務を圧迫している状況はご理解ください。

上記に列挙した以外にも,当センターの通常業務は大量かつ多岐に渡っています。しかしながら,スタッフの数は限られております。両センターの負荷が少しでも軽減されるよう,構成員の方々におかれましてはマニュアルの熟読,およびネットワーク利用の法令・モラルの順守をお願いします。

最後に,2020年度は学生用電子メールシステム,事務用電子メールシステム,教職員用ポータルサイトのクラウドサービスへの移行を予定しております。その際,旧システムから新システムへのメールデータや予定表データの移行は,利用者の皆様に手動で行って頂く予定です(システムによる自動移行を念頭に様々な移行方法を調査しましたが,安全かつ確実な移行方法を見つけることはできませんでした)。来たる移行時には利用者の皆様にはお手間を頂くことになりますが,安全・確実な移行のため,ご容赦頂くようお願い申し上げます。

情報基盤センター長 松尾 啓志
令和2年4月