情報基盤システムの一新と
続くカイゼン,増えるサービス
平成19年4月情報基盤センターは名古屋工業大学の情報基盤システムを一新しました。導入した情報基盤システムは約550台の教育用クライアントPC,約60台のサーバ群,3台のファイルサーバなどからなる巨大システムです。
ユーザ側である学生,教職員には以下のサービスを提供しています。
- 接触・非接触ハイブリッドICカードと公開鍵暗号基盤を基礎とする統一認証
- 統一データベースを起点とし,LDAP,Active Directoryに情報を提供することにより,学内のID情報を一元管理
- ICカードを用いた,PCへのログイン,学生・教職員ポータルへのログイン,図書館貸し出しおよび入退館,教室(一部)への入室,授業への出欠打刻,教育用プリンター印刷制御,バーチャルプライベートネットワーク(VPN),キャンパスペイ(生協)など,さまざまな学内システムに対する統一認証を実現
- 教育環境
- クライアントPCとしてWindows Vistaを導入するとともにOffice 2007,Visual Studio をはじめとする様々なソフトウエアを提供
- X端末ソフトによるLinux環境を提供
- 学生ポータル経由を用いたシングルサインオン,および図書館情報を含む情報提供手段の一元化
- メールや掲示板へのアクセス方法として,Webおよび携帯電話による複数アクセス手段の提供
- コースマネージメントシステムmoodleの全面展開
- 非接触ICカードによる出席システム
- 複数の英語学習システム(CALLシステム,NetAcademy,ATR-CALL)の導入
- 事務の電子化
- 教職員ポータルによる情報提供手段の一元化および高セキュリティ化の実現
- Web,ポータル,携帯電話によるさまざまなアクセス手法を利用可能であるとともに,到達確認,親展指定など,メールによる情報伝達を効率化する業務メールシステムの提供
- 高セキュリティ,高保守性を実現するシンクライアント環境(本部事務)
- ファイルの一元管理,複数世代管理(本部事務)
- 電子ワークフローによる事務作業の電子化,可視化
- 全学で利用可能なウイルス対策ソフトウエアの提供
このように,ICカードを基礎とし高度なセキュリティを確保した上で,ポータル経由の各システムへのシングルサインオンを実現することにより,利便性を損なうことなく複数のシステムを結合した統合情報基盤システムが実現できたと考えております。
無論,わざわざポータルにログインするためにICカードを使うのは面倒というご批判があることは理解しております。しかし,ICカードによる高セキュリティを実現した上での統一認証は今後のICT社会の主流であり,国内外の大学のICT基盤の模範となる情報基盤システムを構築,推進することが工科大学構想を推し進める名古屋工業大学の使命であると考えております。
また,まだ完全な認証統合が出来ていないのでは?,安定性に問題があるのでは?,掲示板の統合が不十分では?など,様々なご批判があることに対しては真摯に受け止める必要があると思っております。今後も情報基盤センターは,本システムの性能向上とともに,様々なシステム改善,および更なるICTサービスの提供を予定しております。
今後とも,情報基盤センターの活動にご理解をお願いすると伴に,積極的な改善要求を期待しております。
情報基盤センター長
松尾啓志
平成19年5月