国立大学法人名古屋工業大学 情報基盤センター

ICT基盤としてのさらなる成熟に向けて

この4月より,本学のコミュニケーション環境は一変しました。

学生を含むすべての構成員がSkype for Businessで繋がりました。従来からの電子メールによる情報伝達を補完する形で,学生間で主流となっているメッセージング形式を利用できるだけでなく,海外を含む長期インターンシップ時の学生指導のために,PC間の画面・アプリケーション共有,ビデオ会議など,密接なコミュニケーション環境が利用可能となりました。加えて内線電話の全面IP電話化とSkype for Businessとの統合によるスマートフォン内線電話利用を含む,モバイルシフトも進めました。

また昨年9月から学内には1600台を超えるBLE発信機が設置され,屋内位置情報獲得が可能となっています。位置情報の高度利用は次世代のコミュニケーション環境に必須であると考えています。情報基盤センターは,全国の大学に先駆けて,いち早くこのような環境を整備しました。情報基盤センターも積極的に利用システムの開発を行っていますが,この環境を研究にも利用して頂き,本学が位置情報の利活用・研究の最先端大学となることを期待しております。

なお1000回線を超える電話のIP化を学内の内線停止をわずか一日のみ(実際には半年に及ぶプロジェクト)で行ったことは,情報基盤センターのスタッフの高度なプロジェクト推進能力をお示しできたと考えております。

以下は昨年度の活報報告の一部です。

教育環境
  • 学生メール環境を従来のActive! mailからMicrosoft Exchangeに変更しました。従来のPCだけでなく,スマートフォンによるメール利用が容易になりました。なお,近日中に学生の時間割も確認できるようにする予定です。
  • 従来のICカードによる打刻と併用できる,BLE(Bluetooth Low Energy)発信機を用いたスマートフォンアプリによる出欠打刻システムを開発し,4月から正式運用を開始しました。
  • 学生が研究のため夜間に大学に残る際の安全確認のため,BLEとスマートフォンを用いた夜間残留申請システムを開発し,4月より運用開始しました。
  • Moodle,MaharaのFAQを作成しました。
事務環境
  • 学生勤務管理システムをオープンキャンパス等の入試イベントの学生雇用に利用できるように拡張し,学生のTA業務にかかわるすべての作業をオンライン化しました。
  • 従来のSharePointベースの業務用掲示板から,情報基盤センターが独自開発した新しい業務掲示板を作成しました。圧倒的な高速化だけでなく,掲示の自動事務メール転送や印刷対応など,より実環境を考慮したシステムとしました。
  • ユニファイドコミュニケーションシステム・IP電話システムのために統一DBを拡張し,従来カオス状態であった内線番号管理を,統一DBで一元管理できるようにしました。
  • OG人材バンクやホームカミングデーのための登録システムを作成しました。
基盤システム
  • SINET5への移行を行い,さらなるネットワークの安定性を向上させました。
  • 研究メールのサーバーハードウェアを更新し,安定化を図るとともに,メール保存容量を50GBに増大させました。これを機に学外へのメール転送を見直していただければ幸いです。
  • 学内オンラインストレージサービスの各個人の割り当て容量を20GBから50GBに拡張を行いました。情報流出の危険性を低減する面からも積極的な利用をお願いします。
  • 計画的に各建屋内のネットワークスイッチの更新をしています。
新規システムのための調査活動
  • 従来からのICカードによるシングルサインオンに追加して,クラウド認証を含むシームレスな新規認証システムを調査しています。
  • 次世代クラウド環境の調査し,従来のデーターバックアップだけでなく災害時のBCPを考慮したシステムの導入を検討しています。
  • ユニファイドコミュニケーションシステムを利活用できるシンクライアント環境の調査を行っています。

また情報基盤センターでは,従来からのPCやWEB経由のサービスに加えて積極的にスマートフォンアプリの利活用を進めるモバイルシフトを進めています。スマートフォンによる打刻と夜間残留申請が可能なNitechピロリンアプリ,Skype for Businessアプリ,学生掲示板を閲覧できるNitechBBアプリなどです。これらの開発は本学の公式クラブ団体であるC0deの多大なる貢献によるものであり,この場を借りて感謝します。

情報基盤センターは設置10年を超えました。現在,サービスを運用するための仮想サーバーは190台,教育用端末は550台,MAINS接続機器は1万5千台,無線LAN基地局は550台,IP電話は1000台,Skype for Businessアカウントは7500,事務シンクライアントは300台(すべて概数)など,たった一部の数字を挙げても膨大な数となりました。それに加えて,常時発生する学内外セキュリティーインシデント,学外からのネットワーク経由の攻撃への対応などの対応も日常業務の重要な一部となっています。当然これらを安定的に運用することは必須の業務です。しかし,昨年度は学内クラウドサーバーの単一故障点であるハードディスクの故障により,数日間の不安定化を招きました。この場を借りてお詫びさせて頂きます。

今年は,従来からの基盤システム維持・管理・更新作業に加えて,8月にはMAINS中央スイッチのリプレイス,来年3月には5年に一度の基盤システム全体のリプレイスを控えています(両リプレイスとも全面停止は2日を予定)。両リプレイスとも,本学の教育,研究,事務環境に多大な影響を及ぼすことなく,プロジェクトを推進していく所存であります。

最後に,ネットワークを含む情報基盤の安定稼働は情報基盤センターだけで成し遂げることはできなく,個々人の常識的なリテラシー,モラルも重要だと考えますので,構成員の方のご理解とご協力をお願いいたします。

情報基盤センター長
松尾 啓志
平成28年4月