いよいよ次世代コミュニケーションプラットフォームが始動します

この数年の間に我々が検討を進めてきた次世代コミュニケーションプラットフォームが今年度後半より段階的に導入されます。このプラットフォームは

  • 全構成員に対してマイクロソフト社のユニファイドコミュニケーションシステムであるLync・Exchange環境の提供
  • Bluetooth Low Enegy規格を用いたiBeaconを学内に約1500台設置することによる位置情報サービスの提供
  • 教職員に対して内線電話のIP化とスマートフォンの利活用による連絡手段の多様化

から構成されます。位置情報サービスの応用例として,スマートフォンによる出欠打刻や災害時の避難情報把握,研究室の夜間安全管理などがありますが,これらの応用例以外にも本プラットフォームは本学が位置情報利活用の一大研究拠点となるインフラストラクチャーであると考えております。この次世代プラットフォームは,全国の大学(おそらく全世界の大学)に先駆けて導入するものであり,中期目標の重点項目として「キャンパスの情報化の推進」を掲げる本学が誇るべきものとなると考えております。

以下は昨年度の活動報告の一部です。

教育環境
  • 従来のPC上での包括ライセンスのよるマイクロソフト社のOfficeのメディアの提供に加え,クラウド環境でのOfficeおよびストレージ(OneDrive)を提供可能な「Office365」の提供を開始しました。利用法などはポータルのリンク集>情報基盤ユーザーズガイドを参照ください。
  • OneDriveの利便性を向上させるために,研究室構成員やクラブ・サークルのグループを統一DBを元に作成し,容易にグループ内の情報共有が可能な構成としました。
  • Moodle2.7.2へのバージョンアップを行いました。
  • 従来の出欠システムより広範囲の行動履歴を確認可能な研究室向け出欠確認システムの開発を行いました。
事務環境(統一データベース関連)
  • 統一データベース(DB)の利活用を推進しました。
    • 統一DB参照用Excel関数の充実およびExcel上でのリボンを作成しました。
    • 論文題目の英文題名,銀行口座,OG人材バンク登録,バイクナンバーなどの学生からの様々情報入力を一元化しました。
    • 統一DBが有する学生情報の事務局内での共有範囲を広げ,学生関係事務の効率化を促進した。またそれに伴い,統一DBの利用履歴を各職員および情報管理責任者への通知を開始し,セキュリティーの向上を図りました。

情報基盤センターでは足かけ8年にわたり情報の一元入力・管理のために統一DBを開発・改良しており,事務作業はある程度,統一DBを意識した流れになりました。しかし,学内規則により「統一DBから獲得できる情報は新たに収集しない」という項目があるにも係わらず,依然として従来の情報収集手法を学生や教員に強いる場合があることは非常に残念に思います。

事務環境(その他)
  • なんでも相談室向け情報収集システムの開発を行いました。
  • TA勤務管理システムの運用を開始し,従来紙ベースで行われていたTAの事務作業全般を完全に電子化しました。また今年度からは,オープンキャンパス等入試イベントの学生雇用にも利用することになっています。
  • 従来のWebDAVによる学内オンラインストレージサービスに代わり,より利便性の高いSMBによる新しいストレージサービス(disk.ict)を導入しました。学内PCの盗難による成績情報の流出などが社会問題となっていることからも,重要情報は本サービスをご利用頂くことを強くお願いします。
基盤システム
  • ネットワーク統合脅威管理装置UTMの機種を更新しました。機種更新により,実行スループットを約3倍向上したほか,学内のトラフィックのピーク利用時でも安定稼働を行うことが可能になりました。
  • 研究用メールサーバーの安定運用に向けた取り組みを行いました。また近日中に新研究メールサーバーを公開します。新サーバーは性能向上だけでなく,教員に対して20GB程度の容量を提供する予定です。この増強により,所謂クラウドメールの容量と遜色がなくなります。情報漏洩やセキュリティーの問題からも,可能な限り学内研究メールサーバの利用をお願いします。
  • 本学公式ウェブサイトとイベントカレンダーの連携機能を開発しました。ポータル上のイベントカレンダーに,例えば学内で開かれる研究会情報などをご記入頂ければ,自動的に公式ウェブのイベントカレンダーにも展開されます。名工大のアクティビティを学外にPRするためにも,学内のイベント情報を積極的に,イベントカレンダーに入力いただければ幸いです。
  • 無線LANの速度・安定性を向上させるために,ESSIDの一元化を行いました。さらに大学間ローミング環境eduroamのアクセスポイント増設によりeduroamが大学講堂や4号館など19ヵ所で利用できるようになりました.大学内におけるeduroamの提供は学外者への重要なサービスでもあり,国内だけでなく国外からの来客者への情報提供や,学内で開かれる国際・国内学会,研究会でのPRをお願いします。
  • サイネージ版音声対話システムネットワーク連携モジュールの開発を行い,統一DBと連携した教職員居室への案内などが可能となりました。

以上,ここで挙げた以外にも既存システムの様々な機能追加,操作性向上,速度向上,安定性向上も日々行っていますが,多すぎてここではご紹介できないのが残念です。情報基盤センターは学内の電子化を提案するとともに,実現するために積極的に動く組織です。今後も当センターは他機関では到底導入不可能な次世代のICT環境を提案するとともに,実現をしていく所存です。構成員におかれましては,我々が提供する新しい環境を積極的に利活用していただくとともに,新たなシステム・サービスのご要望をお寄せいただければ幸いです。

情報基盤センター長
松尾 啓志
平成27年4月